【ライブレポ】mitsu(元ν【NEU】)10周年ライブ開催 あの頃のヴィジュアル系と今をつなぐ記憶 SpotifyO-WEST 涙と感動の夜
元ν【NEU】のmitsuがソロ活動10周年ライブをSpotifyO-WESTで開催。ファンの歓声とともに蘇るあの時代の熱狂をレポート。元NEUのmitsuが10周年ライブを開催。「じゃないかダンス」や懐かしいMC、NAKEDなどに涙…ファンの声を交えてレポート。
2025年7月18日、東京SpotifyO-WESTで行われたmitsuによるソロ10周年ライブ。平日開催にもかかわらず、開場前には多くのファンが列をなし、夜の渋谷に高揚と懐かしさが交錯する独特の空気が漂っていた。
https://x.com/mitsu_official/status/1946473776675434934/photo/4
引用元:X mitsu(@neu_mitsu)
- ν【NEU】としての活動を終えてからも、音楽という軸をブレずに歩み続けてきたmitsu
- コロナ禍によるイベント中止や活動規模の制限等を経て
- ヴィジュアル系でありながらソロで弾き語りライブをするボーカリスト
- ファンとアーティストが共に作り上げた彼のヴィジュアル系、現在進行形の歴史
- そして、また次のステージへ
ν【NEU】としての活動を終えてからも、音楽という軸をブレずに歩み続けてきたmitsu
そんな彼の10年間の軌跡と、ファンとの再会がこの夜に凝縮されていた。
最新曲の「水深」からライブは幕を開ける。イントロが流れ出した瞬間、客席は静まり返る。低音サビから高音サビに転換するパートは臨場感があった。
「蜃気楼」ではラテンの情熱を思わせるサウンドが加わり、さらに温度が上がるフロア。揺れる照明の中、mitsuの表情が一段と艶やかに見えたのが印象的だ。ヴィジュアル系と一線を画したようなバイオリンベースが象徴的。
「MIDNIGHT LOVER」では軽快なリズムとダンサブルな振付で、観客を一気にステージの世界へ引き込む。マイクを握るmitsuの視線と動きは、まるでこの空間を支配するという決意のようにも感じられた。
その空気をガラリと変えたのが「エトリア」。優しく包み込むような歌声と透明感あるアレンジで、観客の内側へとそっと語りかけていく。活動初期と大きく変化した楽曲は成長を描いていた、会場全体が深く引き込まれていくのがわかった。
光の粒が降り注ぐような音の中で、優しく響いたのは「蛍」。
観客の間をすり抜けるようにして運ばれるその歌声は、心の奥にそっと火を灯していく。誰かに届くことをただ願いながら紡がれたような恋の曲。会場は灯されていく。蛍の光が会場内を照らした演出は幻想的で素敵だった。
「シュガー」を歌った後に若干のざわつきが起きた。「じゃないか」のイントロが流れてくる。低音のベースの入ってくる心地いいダンスナンバー。振付が独特で「これ久しぶりに見た」「覚えてるかな?」というような、ざわめく声と笑顔があちこちから聞こえてきた。
誰もが、あのダンスを通して時間を共有していたことを思い出した瞬間だった。
伝説のダンスと言う程踊らないmitsuが踊っていたこの振り付けは、mitsu自身が以前「必死に覚えた」と語っていたエピソードでも知られている。当時の「じゃないか」はこちら。
思い出が音楽と共に蘇る瞬間。ライブという今この瞬間にしか起こらない魔法のような空気が、会場を包んでいた。
次に披露されたのは「鼓動」。
ピアノの旋律が美しい旋律のイントロはmitsu自身の人生を象徴するようなこの楽曲のようだ。ひとつひとつの言葉に覚悟が宿っている。ドラマティックな展開とともに歌の形を変えていくのがわかる。
続く「Naked」では、感情の深い部分にフォーカスしたような静謐さが印象的だった。
装飾のない素直な歌声が、過去の記憶を丁寧に掘り起こすように流れ、自然と目頭が熱くなる。ステージ上の光がゆっくりと揺れる様子が、まるで心の中の葛藤や再生を映しているようだった。未発表音源で聴き入るバラード系楽曲。
やがて、穏やかに風が吹き込むように始まった「キンモクセイは君と」。
秋の夕暮れのようなこの楽曲は、日常の中にある小さな幸せを思い出させる。mitsuが客席に向けて何度も微笑みを浮かべながら歌う姿に、「誰かと一緒にいること」の尊さが強く伝わってくる。一緒に歌うパートがあるのも印象的。
まだ名前のない「新曲」の披露では、未知の景色へと一歩踏み出す勇気が音になった。
シンプルながら芯のあるサウンドと、言葉を選び抜くように丁寧に歌う姿勢からは、これからのmitsuが描いていく物語への確かな自信が感じられる。目の前の人に向けて語るような、そのパフォーマンスはとても力強かった。
次に会場の空気を突き破るように響いたのは「Live Your Life」。
アグレッシブなサウンドに合わせて客席も躍動感を増し、拳が自然と空を切る。ステージを駆け回るmitsuの姿が、まるで「音楽の自由」を体現しているようだった。前へ進もうとする全ての人の背中を押すような力に満ちていた。
さらに、「It's So Easy」ではバンドメンバーとの一体感が最高潮に。
メンバーひとりひとりが音のバトンを渡し合うようなソロパートでは、サポートという枠を超えたチームとしての強さと美しさが感じられた。観客との距離も一気に縮まり、ステージとフロアが同じテンションで跳ねる。
メッセージ性の強い「YES≒NO」のイントロが放たれた瞬間、会場の熱はさらに高まる。この曲はヴィジュアル系バンドν【NEU】時代の曲で現在YESとNOを簡単にマルバツでポーズして楽しめる定番曲だ。mitsuの人間らしさが滲んでいる感情がまっすぐぶつけられる様子に、多くの人が笑顔で踊っていた。
「cube」では、リズムのうねりとmitsuのしなやかな動きが絶妙に交差し、ショーとしての完成度が一層高まる。エンターテイナーとしての側面と、シンガーとしての表現力が同時に光る場面だった。
フロアの熱気が最高潮に達したところで飛び込んできた「CRAZY CRAZY」と「Into DEEP」。声を煽るmitsuは本来のヴィジュアル系の姿を見せる。新曲までは第1部と言っていたように第2部はまるでロックステージの様だ。スピード感あるサウンドと躍動感のある照明が、まるでライブハウスを異空間に変えたかのようだった。歌いながら、跳ねながら、観客一人一人を見つめるように手を振るmitsuの姿が、まさにライブの申し子そのものだ。
終盤に差し掛かると、深く濃密な空気に包まれながら「ラストヒーロー」が鳴り響く。
どんなにボロボロになっても、誰かのヒーローであろうとする意志。それは傷つきながらも進む彼自身の過去とも重なり、観客の胸に静かに火を灯していった。
最後を飾ったのは『For Myself』。
失ったもの、迷った日々、信じられなかった自分。すべてを抱えながらも前を向く強さが、この曲にはある。目の前の君にだけ届けばいいと願うように、絞り出すように歌われたラストに、自然と多くの瞳が潤んでいた。
コロナ禍によるイベント中止や活動規模の制限等を経て
ファンにとって、この10年間は決して順風満帆ではなかった。ヴィジュアル系バンドν【NEU】解散後のソロ活動、ライブ会場に足を運ぶこと自体が難しかった時期もある。
それでも、「10周年で会えた」。それがこのライブの一番の意味だった。
実際、1周年のライブから通っていたというファンの中には「コロナ禍の時だけ行けなかったけど、それ以外はずっと通ってた」と語る人もいた。
10年という年月を超え、またこの場所に戻ってこれたことへの感謝と喜びが、それぞれの表情やMCの端々に滲んでいた。
印象的だったのは、mitsuがMCで語った「振り付けは好きに楽しんでね」という一言。この一言には、ファンそれぞれの自由なスタイルで楽しむことを肯定する温かさがある。「完璧に踊れなくてもいい」「静かに見ててもいい」。この雰囲気があるからこそ、初めてライブに来た人も、長年応援している人も、同じ空間で安心して音楽を楽しめるのだろう。
また、この日集まった動員数は最多記録を更新。SpotifyO-WESTの最大収容人数は600人。41枚残っていたとMCで語る。スタッフやファンへの感謝を丁寧に述べる姿も印象的で、謙虚さと真っ直ぐさが変わっていないことを改めて実感させた。
今回の10周年ライブで披露された新曲についても触れておきたい。歌詞は少なめでありながらも、楽曲そのものの力強さと華やかさが際立っていた。「言葉を詰め込まなくても伝わる」その潔さと美しさに、今のmitsuらしさがにじんでいた。
観客との「自然体の関係性」も印象深かった。心から「楽しい」と思えるライブができたという話。mitsuのライブは、どこか即興的で、観客も演者も一体感を感じられる空間が魅力。そしてそれは今も変わっていない。10年の歳月を経ても「自然体で楽しめる空間」を作り続けているのは、mitsuの真骨頂だろう。対バンの時も他のバンドのファンと手を繋いで一体感を持てる曲もある。バンドアレンジされたν【NEU】時代の「cube」とソロ活動で誕生した「蛍」だ。楽曲の雰囲気を軽く紹介する。
「cube」はmitsuがヴィジュアル系バンドでメジャーに行った頃にリリースされた曲でデジタルミュージックとヴィジュアル系を融合させたバンドは当時少なく、打ち込み系のイントロから展開される幻想的なデジタルサウンドの曲。当時のファンが生で聴いたら驚く程変化している。
「蛍」はmitsuがソロ活動中に発表された曲でデジタル系寄り。cubeのように早いリズムではないからしっとりとポップ調で聴ける感じ。ヴィジュアル系と言うよりポップスに近い。
ヴィジュアル系でありながらソロで弾き語りライブをするボーカリスト
ビジュアル系バンドν[NEU]のボーカリストとして華やかなステージに立っていたmitsu。そんな彼が、バンド解散後も音楽の灯を絶やさずに歩み続け、今ではアコースティックギター片手に弾き語りライブも行う表現者として存在感を放っている。
見た目の派手さや世界観に注目されがちなヴィジュアル系出身が、弾き語りという等身大のスタイルで勝負をするのは、実はとても稀なこと。
それだけに、彼の弾き語りライブは貴重な体験としてファンに深く刺さる。
2015年のソロ活動開始からmitsuは、自分の声だけでどこまで届けられるかを探るように、試行錯誤を繰り返してきた。
弾き語りを通じて、mitsuが届けたのは、ただの歌ではない。
それは、彼が過ごしてきた日々、感じた痛み、そして人との繋がりから生まれた人生そのものだった。
バンド解散後の孤独をソロ活動当初はよく語っていた。自分を支えてくれた仲間たちとの再会、そして現実と理想との葛藤はよく感じ取れた。
彼のライブには、誰一人として置き去りにしないようにする強い意志がある。
ライブ初心者も、ずっと応援しているファンも、一緒にいる場所。「ここにいる一人が欠けても今日もライブは成立しない」特別な人常に考える前向きな姿勢。それがmitsuのライブであり、距離のない表現、その想いがよりダイレクトに伝える。
弾き語りボーカリストとしても、mitsuはまだ未完成完成だ。もっと出来る事やれる事がないかと追いかける。今回のライブでも喉の開きを新曲歌った後に語っていた。音楽しかない。だからストイックでいい。完成していないからこそ進める。毎回のライブが新鮮で成長の記録になる。
mitsuが「今の自分を超えよう」とする事を続ける限りきっと全てが素敵になる時が来るだろう。
ファンとアーティストが共に作り上げた彼のヴィジュアル系、現在進行形の歴史
このライブは単なる10周年の記念日ではなかった
mitsuとファン、それぞれが歩んできた10年という時間の中で、何を得て、何を失い、それでも何を守ってきたのか——その答え合わせのような、何もない今から始まり、見えてきたものがここにある。目の前の一人一人に声が届いた夜だった。
ここから続く未来のライブも、また今という時間が更新されていくのだろう。
この夜、SpotifyOウエストで鳴り響いた音は、ただのライブ音ではなかった。それは、10年間の感謝と成長、そしてこれからの決意を音に変えたmitsuからのラブレターであり、ファンとアーティストが共に作り上げた「彼のヴィジュアル系、現在進行形の歴史」そのものだった。
そして、また次のステージへ
mitusuのライブが終わった瞬間、客席から自然と笑顔があふれた。
照明は少し柔らかくなり、ステージと客席の境界が溶け合うような一体感が会場を包んでいた。
最後に披露された楽曲は、ソロとして最初の曲「For myself」。
彼らしさが詰まったリアルな一曲だった。
SpotifyOウエストの夜は、ただの記念日ではなく「再出発」の日として刻まれた。
次の10年後20周年がどう描かれるのか──それはmitsuと、今日ここにいた全員でつくる物語だ。
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